自社ブランドで美容機器を販売したいと考えたとき、最初に気になるのが「どのくらいの費用が必要なのか」ではないでしょうか。
美容機器は、製品の機能や大きさ、メーカー、ロット数、変更する範囲によって価格が変わります。そのため、すべての製品に共通する単価を示すことはできませんが、開発方法を3つに分けると、おおよその費用構成が見えてきます。
本記事では、家庭で使用する美容機器を中心に、口腔ケア、ヘッドケア、ボディケアなどのセルフケア機器や小型家電も含め、美容機器OEMの費用を分かりやすく解説します。
美容機器OEMの費用を先に確認
美容機器の作り方は、大きく分けて次の3つです。
| 開発方法 | 変更する範囲 | ロットの目安 | 主に発生する費用 |
|---|---|---|---|
| 既存製品を利用するOEM | 色、ロゴ、化粧箱、取扱説明書など | 最小1,000台程度。初回は2,000~3,000台が比較的多い | 製品単価×生産数量 |
| 既存製品の一部仕様変更 | 動作、プログラムなど | 1,000~5,000台程度 | 製品代+開発・試作費 |
| 金型から開発するODM | 外観、構造、基板など | 2,000~3,000台程度から | 製品代+設計・金型・開発費 |
既存製品を利用するOEMは、金型を新しく作らないため、初期費用を抑えやすい方法です。一方、金型から開発するODMでは、量産する製品代に加えて、数百万円から1,500万円程度の金型費などが必要になります。
同じような仕様の製品でも、製品の構造やメーカーによって価格は変わります。まずは希望する製品と変更内容を整理し、どの方法で進めるかを決めることが重要です。
OEMの費用計算例
仮に製品単価3,000円の製品を1,000台生産する場合、初回の製品代は次のようになります。
3,000円×1,000台=300万円(税抜き)
この3,000円には、通常の検品、国際輸送、関税、客先指定倉庫までの国内送料を含む想定です。第三者機関による試験、特殊なパッケージ、当社で行う翻訳・編集・デザインなどは、内容に応じて別途費用が発生します。
これは費用の計算方法を示すための一例であり、美容機器全般の相場を示すものではありません。実際の単価は、製品と仕様を確認したうえでお見積もりします。
なお、テンリュウへご相談いただくお客様は、既存製品を利用するOEMと、金型から開発するODMでおおむね1:1です。初めて美容機器を扱う企業ではOEMから始めるケースが多い一方、独自性を重視し、最初からODMを選ぶ企業も少なくありません。
OEMとODMの詳しい違いについては、美容機器OEM・ODMにおける「ありもの」と「開発」の違いでも解説しています。
既存製品を利用するOEM
既存製品をベースに、主に次の内容を変更します。
- 本体色
- ロゴ印刷
- 化粧箱
- 取扱説明書
- 付属品やセット内容
既存の金型や基本設計を利用するため、金型から開発する場合と比べて初期費用を抑えられます。最小ロットは1,000台程度が一つの目安で、初回は2,000~3,000台程度のご相談が比較的多くなります。
一般的な色変更やロゴ印刷では、製品単価は大きく変わらないことが多く、通常は製品代に含めてお見積もりします。化粧箱と取扱説明書も、お客様側で入稿可能な完成データをご用意いただく場合は、一般的な仕様であれば製品代に含めて進められます。
サンプルは、日本国内に在庫がある場合、無償で貸与できることがあります。国内在庫がない場合はメーカーから取り寄せるため、数千円程度の製品代と国際輸送費が必要です。
既存製品の一部仕様を変更する場合
既存製品の金型を利用しながら、動作やプログラムなどを変更する方法です。
| 変更内容の例 | 費用の考え方 |
|---|---|
| 本体色やロゴの変更 | 製品単価への影響は比較的小さい |
| LEDの点灯方法やモードの変更 | 既存プログラムで対応できるかによって変わる |
| 出力や操作方法の変更 | 基板やプログラムの変更が必要な場合がある |
簡単な変更であれば、開発費や試作費が数万円程度で済む場合もあります。一方、基板やプログラムの新規開発が必要になると、100万円台になることもあります。
生産ロットは1,000~5,000台程度が目安ですが、製品と変更内容によって異なります。また、どこまで既存製品を変更できるかもメーカーごとに異なります。
例えば、同じ「LEDの変更」でも、点灯色を変更するだけなのか、点灯パターンや操作方法まで独自仕様にするのかによって必要な作業が変わります。そのため、「この機能を追加すると一律○円」と示すことはできません。
テンリュウでは、希望する変更をそのままメーカーへ伝えるだけではなく、既存製品の範囲で対応できる部分と、追加開発が必要な部分を整理します。費用が大きくなる場合は、既存の部品や動作を活用した代替案も検討します。
金型から開発するODM
主に発生する費用は次のとおりです。
| 費用 | 内容 |
|---|---|
| 設計費 | 製品の外観、構造、内部部品などの設計 |
| 金型費 | 本体や各部品を量産するための金型製作 |
| 基板・プログラム開発費 | 独自の機能、出力、動作などの開発 |
| 試作費 | 外観試作、機能試作、量産前の確認 |
| 製品代 | 完成した仕様で量産する製品の費用 |
| 試験・認証費 | 製品に応じて必要となる第三者機関の費用 |
金型費は、製品の構造や部品点数によって数百万円から1,500万円程度まで幅があります。基板やプログラムの開発費は金型費とまとめて提示されることもありますが、内容によって数十万円以上の費用がかかります。
金型完成後の試作品は、数点程度であれば無償で提出できる場合があります。ただし、金型費だけで製品が完成するわけではなく、量産試作、動作確認、必要な修正などを経て量産へ進みます。
ODMの最小ロットは2,000~3,000台程度が一つの目安です。製品単価そのものは、同等仕様のOEM製品と大きく変わらない場合もありますが、初回は金型・設計・開発費が加わります。
金型の数、製品単価、試験内容によって総額が大きく変わるため、「最低○万円から」という一律の金額は設定できません。
見積もりに含まれる費用・別途発生する費用
見積金額を比較するときは、金額だけでなく、どこまで含まれているかを確認することが重要です。
| 通常、製品代に含まれるもの | 内容に応じて別途発生するもの |
|---|---|
| 製品本体 | サンプルの購入・国際輸送費 |
| 一般的な色変更・ロゴ印刷 | 仕様変更に伴う開発・試作費 |
| 一般的な化粧箱・取扱説明書の印刷 | 金型・設計費 |
| 通常の検品 | 基板・プログラム開発費 |
| 国際輸送費 | 翻訳・文章編集・デザイン費 |
| 関税 | 特殊な紙、印刷、表面加工など |
| 客先指定倉庫までの国内送料 | 第三者機関による試験・認証費 |
化粧箱や取扱説明書は、お客様側で完成データをご用意いただく場合、一般的な仕様であれば製品代に含まれます。当社で翻訳、文章作成、編集、デザインを行う場合や、特殊な紙・加工を採用する場合は別途費用が発生します。
試験・認証が必要な場合は、第三者試験機関から提示された費用をもとにお見積もりします。本記事および当社のお見積もりは税抜きで、消費税は別途です。
美容機器OEMの価格を左右する4つのポイント
| ポイント | 価格が変わる理由 |
|---|---|
| 製品とメーカー | 機能、大きさ、部品、品質管理体制などが異なるため |
| 変更する範囲 | 既存仕様で対応できるか、設計や基板の変更が必要かで費用が変わるため |
| 生産数量 | 数量が増えるほど単価は下がりやすい一方、在庫負担も増えるため |
| 製品・梱包の容積 | 同じ台数でも輸送に必要なスペースが異なるため |
特に海外生産では、台数だけでなく、輸送する製品全体の容積が重要です。小型製品と大型製品では、同じ1,000台でも輸送費が異なります。
また、輸送数量がコンテナ1本を貸し切る物量に達するかどうかによっても、1台あたりの輸送効率が変わります。このため、「1,000台と3,000台では必ず○円違う」という一律の比較はできません。
数量を増やせば製品単価は下がりやすくなりますが、販売計画を超える在庫を抱えると資金負担が大きくなります。初回数量は、単価だけでなく在庫リスクも含めて決める必要があります。
美容機器OEMの費用を抑える方法
| 方法 | 費用を抑えられる理由 |
|---|---|
| 既存製品を活用する | 金型や新規設計の費用を抑えられる |
| 機能に優先順位を付ける | 不要な部品・プログラム・試験の追加を避けられる |
| 既存部品や基板を利用する | 新規開発する範囲を限定できる |
| 印刷用の完成データを用意する | 翻訳・編集・デザイン費を抑えられる |
| 納品までの総額で比較する | 後から輸送費や関税が加わる見積もりとの誤差を防げる |
初めて美容機器を販売する場合は、既存製品の色、ロゴ、パッケージを変更するOEMから始め、市場の反応を確認してから独自製品を開発する方法もあります。
ただし、独自性が販売上の重要な条件であれば、最初からODMを選ぶ方が適している場合もあります。予算だけでなく、販売方法、競合製品、自社ブランドとの関係も含めて選ぶことが大切です。
見積もりのために分かるとよい情報
次の情報があると、製品選定と見積もりがスムーズになります。
- 作りたい製品、または参考にしている製品
- 想定する使用者と使用場面
- 必要な機能
- 希望する販売価格
- 初回の予定数量
- 年間の予定数量
- 希望納期
- 本体色やロゴの希望
- 化粧箱・取扱説明書の希望
- 販売予定の国や地域
すべてが決まっている必要はありません。参考商品の画像や「このような用途の商品を作りたい」といった情報から、既存製品を利用できるか、一部変更が必要か、新規開発が適しているかを整理します。
美容機器OEMの費用に関するよくある質問
最低何台から発注できますか?
既存製品を利用するOEMでは、1,000台程度が一つの目安です。初回生産では2,000~3,000台程度のご相談が比較的多くなります。製品やメーカーによって異なるため、具体的な商品が決まり次第確認します。
数十台や数百台でも発注できますか?
量産前の試作や国内在庫品の販売などで対応できる場合もありますが、例外的なケースです。一般的なOEM量産では、1,000台程度からが目安となります。
サンプルだけでも確認できますか?
可能です。日本国内に在庫がある場合は無償貸与できることがあります。国内在庫がない場合は、数千円程度のサンプル代と国際輸送費が発生します。
何も決まっていない段階でも相談できますか?
問題ありません。参考画像や用途、希望する価格帯などから、製品候補と開発方法を整理します。
製品単価には輸送費も含まれていますか?
テンリュウのお見積もりでは、通常、検品、国際輸送、関税、客先指定倉庫までの国内送料を製品代に含めて提示します。消費税、第三者機関の試験費、当社で行う翻訳・編集・デザイン費などは別途となります。
美容機器以外の製品も相談できますか?
美容機器に限らず、口腔ケア、ヘッドケア、ボディケアなどのセルフケア機器や家庭用小型機器についてもご相談いただけます。製品内容を確認したうえで、対応可能なメーカーを調査します。
初めての場合はOEMとODMのどちらがよいですか?
初期費用と開発リスクを抑えたい場合は、既存製品を活用するOEMが向いています。明確な商品コンセプトがあり、他社にはない外観や機能が必要な場合はODMが適しています。
まとめ|製品と変更範囲を整理すると費用が見えてくる
美容機器OEMの費用は、製品、メーカー、ロット数、変更内容によって異なります。
既存製品を利用するOEMでは、最小1,000台程度が一つの目安となり、金型費をかけずに始められます。一部の機能や動作を変更する場合は、内容に応じて開発費や試作費が発生します。金型から開発するODMでは、数百万円から1,500万円程度の金型費に加え、量産する製品代などが必要です。
テンリュウでは、希望する製品や機能を伺い、既存製品を活用できる部分と、追加開発が必要な部分を整理します。そのうえで、通常の検品、国際輸送、関税、客先指定倉庫までの国内送料を含めた金額をご提示します。
「作りたい製品のイメージはあるが、何から決めればよいか分からない」「予算に合う方法を知りたい」という段階でもご相談ください。
