化粧品や日用品など、すでに自社ブランド製品を展開されている企業様の中には、新たに美容家電のOEMを検討されるケースも多く見られます。

一方で、実際に打ち合わせを進めていく中で、

「他の商材と同じ感覚で考えていたけれど、意外と違う点が多い」

という声をいただくことも少なくありません。

もちろん製品カテゴリーごとに事情は異なりますが、美容家電ならではの特徴も存在します。

今回は、実際にご相談をいただく中で、初めて美容家電OEMに取り組まれるお客様からよくいただくご質問や、戸惑いやすいポイントについてご紹介します。

この記事でわかること

  • 美容家電OEMでよくある認識違い
  • 柔軟に対応しやすい変更と、設計変更が必要になりやすい変更
  • 金型、説明書、保証期間、既存ODM製品の考え方
  • 初めて美容家電OEMを進める際に確認しておきたいポイント

「扱える製品一覧」はありますか?

初回のお打ち合わせで、

「テンリュウで扱える美容家電の一覧を見せてほしい」

というご要望をいただくことがあります。

もちろん、既存製品のご提案は可能ですが、基本的にはご要望に応じて適した製品やODM工場を個別に選定し、ご提案する形となります。

弊社では既存取引先だけでも数十社にのぼるメーカーや工場と取引を行っており、既存製品のご提案だけでなく、ご要望に応じて新たな工場や製品を探すこともあります。

このような情報があると、ご提案しやすくなります

  • ヘアケア製品を作りたい
  • EMS機能を搭載したい
  • ギフト向けにしたい
  • 防水性能が必要
  • 参考にしたい既存製品やブランドがある

ある程度やりたいことや販売イメージが明確になっているほど、具体的なご提案がしやすくなります。

一方で、「何か売れそうなものを提案してほしい」という段階からご相談いただくことも可能です。

変更内容によっては比較的柔軟に対応できることもあります

美容家電というと、

「少しでも変更すると大掛かりな開発になるのでは?」

というイメージを持たれることがあります。

しかし、すべての変更が大きな工数や費用につながるわけではありません。

比較的対応しやすい例

  • ロゴの変更
  • パッケージデザインの変更
  • 説明書の作成や変更
  • 付属品の追加や削除
  • 化粧箱内の構成変更
  • プログラムで対応可能な一部仕様変更

設計変更が必要になることがある例

  • 本体形状の変更
  • ボタン位置の変更
  • 防水等級を上げる
  • 充電方式の変更

変更内容によって必要な工数は大きく異なるため、まずはご希望をお聞かせいただくことが大切です。

小さな形状変更でも金型費用が発生する場合があります

「一部分だけ形を変えたい」というご要望をいただくことがあります。

ただし、樹脂部品などは形状がわずかに変わるだけでも、既存金型が使用できなくなるケースがあります。

その結果、新規金型や金型修正が必要となり、数十万円から数百万円規模の費用が発生することもあります。

もちろん変更内容によって対応方法は異なるため、一概には言えません。

既存金型を活用した方がよい場合もあれば、新規開発の方が結果的にメリットが大きい場合もあります。

金型変更で確認しておきたいポイント

  • 形状変更が既存金型で対応できるか
  • 金型修正で済むか、新規金型が必要か
  • 量産数量に対して金型費用が見合うか
  • 開発期間にどの程度影響するか

開発初期の段階で方向性を整理しておくことで、不要なコストを抑えられるケースも少なくありません。

関連記事

金型の構造や費用感について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

美容機器開発における「金型」の重要性とは?中国OEMと美容機器商社の視点で解説

説明書作成は意外と時間がかかる工程です

「説明書は最後に作ればよい」と思われることもありますが、美容家電では説明書作成に時間を要することがあります。

その理由として、ボタン操作やLED表示、充電方法、安全上の注意など、確認すべき内容が多いためです。

説明書作成で確認すること

  • ボタン操作
  • LED表示
  • 充電方法
  • 使用上の注意
  • お手入れ方法
  • 防水性能の表現
  • 安全上の注意

既存品であればメーカーの説明書を日本語訳して活用することも可能ですが、日本で販売するにあたり、そのままでは内容の親切さが十分とは言えないケースもあります。

ODM品の場合には、説明書をゼロから作成することも珍しくありません。

また、国内で専門業者に委託すると30~50万円程度の費用がかかる場合もあります。

ポイント

パッケージや説明書は製品の付属物というイメージを持たれがちですが、ブランド価値や使いやすさに大きく影響する重要な要素です。

関連記事

化粧箱や説明書作成の流れについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

化粧箱・説明書の作り方(美容機器OEM/ODM編)— パッケージと取扱説明書で変わる製品価値 —

そのため、仕様が確定してから作成する必要があることも多く、あらかじめ説明書作成の時間を確保しておくことが重要になります。

保証期間はメーカーは出荷基準、ブランドでは販売基準で考えられることが多いです

美容家電では、保証期間についてご質問をいただくこともあります。

保証条件は製品や契約内容によって異なりますが、メーカー側では工場出荷や国内倉庫納品を起点として設定されるケースもあります。

その背景の一つとして、リチウムイオン電池を搭載する製品では、使用していない期間であっても経年変化が生じる可能性があることが挙げられます。

もちろん、保証期間を過ぎたからといって急に故障しやすくなるという意味ではありません。

販売計画で確認しておきたいこと

  • 在庫として保管する期間
  • 販売開始までのスケジュール
  • 販売完了までの見込み期間
  • 消費者向け保証期間
  • 交換対応や問い合わせ対応の体制

美容家電ブランドを運営する際には、消費者とのやり取りや交換対応など、製品原価や広告費以外の運営コストも少なからず発生します。

そのため、あらかじめアフターサービスを含めた体制を考慮しておくことが大切です。

同じ製品が他社から販売されていることもあります

既存のODM製品を活用する場合、開発期間を短縮できる、初期投資を抑えられる、比較的小ロットから始めやすいといったメリットがあります。

既存ODM製品を活用するメリット

  • 開発期間を短縮できる
  • 初期投資を抑えられる
  • 比較的小ロットから始めやすい

一方で、同じ金型や基本構造を利用している製品が、他ブランドから販売されていることもあります。

これは既存ODM製品を活用する上での特徴の一つと言えます。

完全な独自性を求める場合には、専用金型、専用基板、専用設計などが必要となることもあり、販売数量や事業計画を踏まえながら検討していくことが重要です。

注意したいポイント

  • 既存ODM製品は他ブランドでも販売される可能性がある
  • 完全な独自性を求める場合は専用設計が必要になることがある
  • 専用開発は販売数量や投資計画を踏まえて判断する必要がある

また、既存ODM製品を活用する場合でも、品質管理体制は非常に重要です。

テンリュウでは受入検査、工程管理、出荷前検査などを工場と連携して行い、安定した品質で製品をお届けできるよう努めています。

関連記事

品質管理体制については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

中国製でも安心できる美容機器OEMの品質管理とは?検査体制と安定生産の仕組み

まとめ

美容家電OEMには、他製品と共通する部分も多くありますが、製品特有の考え方や進め方が求められる場面もあります。

初めて美容家電OEMに取り組む際に確認したいこと

  • 扱える製品一覧は固定ではなく、ご要望に応じて個別提案することが多い
  • 変更内容によって、柔軟に対応できるものと設計変更が必要なものがある
  • 小さな形状変更でも金型費用が発生する場合がある
  • 説明書作成は想像以上に時間がかかることがある
  • 保証期間やアフターサービスも販売計画に含めて考える必要がある
  • 既存ODM製品は初期投資を抑えやすい一方、他ブランドでも販売される可能性がある

「これはできると思っていた」
「意外と簡単だった」
「想像以上に時間がかかった」

といった認識の違いは、開発の初期段階で整理しておくことで、スムーズな商品化につながります。

テンリュウでは、既存ODM製品から新規開発まで、お客様のご要望に合わせたご提案を行っております。

初めて美容家電OEMをご検討される場合でも、お気軽にご相談ください。