薬事該当って何?

日本では医薬品・医療機器という区分の製品である場合
それらの製品についての製造販売業又は製造業の許可及び品目ごとの製造販売承認等が必要です。

一方、医薬品・医療機器ではない機器は雑貨というジャンルに区分されます。
世の中の大半の美容機器は雑貨として販売されています。

うちは雑貨として売るんだから大丈夫!
それなら医療機器を販売できるよう申請だけしたらいいの?

こんなお問合せをいただくことが稀にあります。
しかし皆さんが取扱いたい美容機器が医療機器なのかどうかを決めるのは行政の仕事であって
勝手に決めてはいけないのです。

どんな対策を打たなくてはいけないのか、またこれを疎かにするとどんなことが起きるのか見ていきましょう。

輸入前に必要な対策

製品探しからOEM先選定を経て、遂に量産間近となった時すぐにやるべきことがあります。
それは皆さんが輸入する製品が雑貨として輸入・販売できるものなのか?の確認です。
これを薬事非該当の事前確認、と呼びます。

どこで確認するのか?

ズバリ「輸入する法人の登記がある都道府県庁内の薬務課」です。
弊社テンリュウは東京都登記の企業なので東京都薬務課になります。

東京都薬務課

上記URLの薬務担当に電話をかけてみましょう。
都道府県によってWEBサイトの表記が異なる場合がありますが、まず代表的な番号に電話をかければ
部門が違っても取り次いでくれます。

何を確認するのか?
  • 製品
  • 化粧箱
  • 説明書

必ず上記3点を準備しましょう。
また表記などに薬事該当とされてしまいそうな文言が入っていないか再度のチェックが必要です。
持参した物を手に薬務課担当者の方へどのような製品なのか説明を行います。

確認した証拠の残し方

事前に確認を行ったという記録が何かあった際に残っていないと意味がないですよね。
製品が無事薬事非該当の雑貨と認定してもらった場合
薬務担当課で面接を行ってくれた担当者の方が所属と名前を教えてくれます。
この情報を忘れずにメモしておきましょう。

輸入時の税関検査で要確認もしくは薬事該当とされた場合

いよいよ海外現地の量産が完了し輸入を行います。
乙仲業者さんを利用し、港に貨物が到着した後、日本国内に入れていいものなのか
税関検査が行われます。

特に美容機器類は昨今、過激な謳い文句で人の目を引く製品が増えており
税関検査は年々厳しくなっていると言えます。
もし要確認と通知を受けた場合でも慌てず対処すれば問題ありません。

都道府県庁の薬務課で事前確認を行っていた場合

薬務課で雑貨と認定をもらった際の部署と担当者名を乙仲業者さんを通して税関に連絡します。
これで輸入許可が出る事が多いですが、税関によっては次なる指示を出してくる場合もあります。
その際は以下事前確認を行っていなかった場合と同じ作業になります。

都道府県庁の薬務課で事前確認を行っていなかった場合

事前確認は必ず行うべきですが、万が一行っていなかった場合、また薬務課での回答も税関に受け入れてもらえなかった場合は厚生局が問合せ先になります。
必ず貨物が一時保管されている港を担当する厚生局に確認を入れましょう。

東京港⇒関東信越厚生局
大阪港⇒近畿厚生局 など

厚生局に電話の後、FAXもしくはメールで製品全貌及び説明書などが分かるよう画像を送付しましょう。
ここでの判断がOKとなれば無事輸入となります。

不許可となるとどうなるの?

雑貨のつもりで輸入した製品が薬事該当だとされた場合、選択肢は二つに一つです。

  • 滅却
  • 返送(積戻し)

滅却は文字の通り、製品が港で廃棄されることを指します。
この場合、廃棄費用も輸入事業者が負担することとなり製品は手に入らず、また廃棄費用までかかる為ダメージは大きいですね。

滅却のダメージを考えると当然返送を考える方が多いのですが、こちらにも一定のハードルがあります。
仮に中国から出荷されたものである場合、返送するとなると中国で輸入通関を行うことになりますが
中国に輸入するために必要な認証(3C認証など)を求められることがあり
多くの海外向け製品はこれが無い為、通関を通らないことが多々あります。

またそもそも返送するということは日本の港で積戻しを行うのですが
日本に輸入できなかったものを返送する整合性のとれた説明が取れない限り再度船に戻すことが許可されない場合もあります。そうなると結局滅却となってしまいますね。

テンリュウの事前確認サービス

輸入通関にあたっての事前に必要な手続きを解説してまいりました。
煩雑な手続きの他に、開発している製品や説明書の内容が適切かの判断も必要となってまいります。

弊社では製品開発から輸送を担う商社としてお仕事をさせていただいていますが
長年の経験を活かし様々な起こりうるトラブルを事前に排除していくことも非常に重要な業務です。
お客様の大事なブランドの価値をより高めていくお手伝いをさせていただければ幸いです。